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東龍男(脚本家)

奇跡のミュージカル「あいと地球と競売人」誕生25周年

脚本・作詞/東 龍男

25年前・平成5年に島根で生まれた奇跡のミュージカル「あいと地球と競売人」が、
地元アーティストの皆さんの厚い情熱によって再び上演される事になりました。
嬉しい事です。

故・坪田愛華さんの「地球の秘密」がモチーフとなっていますこのミュージカルは、
温暖化による昨今の異常気象を含めた地球の数々の問題にいち早く問題提起した坪田愛華さんの命の叫びが込められています。

ミュージカルでは、地球を汚そうとする暗闇の首領たちが、
自分たちの陰謀を見破ってしまったヒロインを殺害してしまいます。

これは私の考えたフィクションで、ヒロインを坪田愛華さんにしてしまう事に躊躇しました。
こんなフィクションで愛華さんの大事な命が散ってしまうというのは失礼なことだと思ったからです。
しかし、この作品の中には愛華さんの真の声が生きている。
私はヒロインを愛華さんの真の声を代弁する愛ちゃんという人物を設定しました。
真の声は永遠です。

このミュージカルは、
市民のみなさん、およそ200人が力を合わせて、
厳しい練習に悔し涙を流しながら作り上げる舞台です。

200人の後ろには、一人を応援する家族が平均4人おられるとすると、
800人もの方々が参加されておられることになります。

文句も出てくる。
上達するにつれ、私たちはもっと出来るのにと言う不満も出てくる。
拘束時間の長さが負担となってくる。おもわぬ出費が制作陣を苦しめる。
つい声を荒げてしまう事にもなる。
あらゆる出来事をのりこえて舞台を作り上げていくスタッフのみなさんの事を思うと頭が下がります。

しかしこの舞台を通じて、音楽や舞踊やミュージカル俳優の道に行かれた人たちがいると聞くと、これは人生道場ですよ!
と大向こうから檄の声を掛けたい気持ちになります。
これは島根県が世に送った奇跡のミュージカルです。

苦楽共々、舞台づくりを楽しんでください。

ご覧いただくみなさん、ありがとうございます。ぜひ、あたたかい応援、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。